トラフグ
- 英名
- Tiger puffer
- 学名
- Takifugu rubripes (Temminck & Schlegel)
- 別称
- マフグ・ホンフグ(下関)、オオフグ(岡山、香川)、モンフグ(高知)
- 分類
- フグ目 フグ科 トラフグ属
- 体長
- 80cm
- 分布域
- 室蘭以南の太平洋岸、瀬戸内海、日本海西部、黄海、東シナ海
- 特徴
- 近縁のカラスフグに似るが、本種の尻鰭は白い。大陸棚上の砂泥底付近に生息し、エビ、カニ、イカ、魚類を襲って、その鋭い歯で噛み砕いて餌とする。春、沿岸の浅場に来遊して産卵を行う。孵化した稚魚は、1年で25cm、3年で42cm、5年で51cmに成長する。寿命は約10年。ふぐ延縄、定置網、底曳網などで漁獲され、主に活魚で流通する。また、養殖も盛ん。肉、皮、精巣は無毒、腸は弱毒、肝臓、卵巣は強毒。フグの取引では下関が有名だが、実際の消費の大部分は関西地区、特に大阪に集中している。なお、ふぐの毒は、海底の微生物が生産した毒素を、食物連鎖を通じて蓄積したものとされており、陸上で養殖したものは無毒になることが知られている。これを利用して、本来有毒である肝などの食用化を認めてもらおうという自治体がある。
- 料理法
- 透明感のある引き締まった白身で、淡白なうまみがある。フグ類中の最高のもので、刺身、ちり鍋、空揚げが定番。薄く引いた刺身を大皿に敷き詰めた「てっさ」はまさに日本料理の華。また、上品な旨味が凝縮された「てっちり」は鍋物の王様。こりこりした皮や濃厚な味の白子も、ふぐ料理に奥域を与える重要な役者である。