スズキ
- 英名
- Japanese seabass
- 学名
- Lateolabrax japonicus (Cuvier)
- 別称
- セイゴ・セエゴ(全国各地、小型魚)、フッコ(東京、中型魚)、ハクラ(有明海、幼魚)、ハネ(西日本、中型魚)、マタカ(三重、中型魚)、シーバス・マル(釣人用語
- 分類
- スズキ目 スズキ科 スズキ属
- 体長
- 1m
- 分布域
- 北海道以南の日本。朝鮮半島
- 特徴
- ヒラスズキに似るが、体高が低く、特に背中の前半部が直線的である点、尾鰭の付け根が細い点などで区別される。成魚は内湾の汽水域や汽水湖に好んで生息し、イカナゴ、イワシ、ハゼ、エビなどを餌とする。産卵期は冬から春で、やや外洋に近い水深50m位の場所で行われる。孵化した稚魚は半年で5cm位に育ち、河口域で生活し、純淡水域にも遡上する。定置網、刺し網などで漁獲され、活魚での流通も多い。また、ルアーフィッシングの対象として人気が高い。本種は出世魚で、地方により、大きさにより、多くの呼び名が存在する。例えば、東京では、セイゴ→フッコ→スズキ、大阪では、セイゴ→ハネ→スズキである。なお、1990年頃から四国や九州で体に斑点のあるスズキがしばしば見つかるようになったが、これは養殖用に持ち込まれた中国産のスズキが逃げ出したもので、タイリクスズキという別種である。
- 料理法
- 夏を代表する魚の一つ。脂の乗った美しい白身で、刺身、洗い、フライ、焼き物、蒸し物と用途は幅広い。特に、「洗い」は、余分な脂や臭みを洗い流すとともに、シコシコした食感を生み出す本種の定番料理で、眼にも涼しい逸品。また、宍道湖特産のスズキを使った島根県松江市の「すずきの奉書焼き」は、最も洗練された郷土料理の一つ。なお、本種には、ヨーロッパ産のニシウミスズキに用いられる、あらゆる西洋料理の技法が応用可能。