おさかなギャラリー:マルハニチロ食品

詳細情報

コノシロ

コノシロ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Dotted gizzard shad
学名
Konosirus punctatus (Temminck & Schlegel)
別称
コハダ(東京、10cm位)、ナカツミ(東京、15cm位)、シンコ(東京、幼魚)、ツナシ(関西、中小型魚)
分類
ニシン目 ニシン科 コノシロ属
体長
25cm
分布域
宮城県以南、新潟県以南の日本。朝鮮半島、黄海、南シナ海北部
特徴
体はやや薄く、腹部に稜鱗を持つ。鰓蓋の後方に黒斑があり、体側から背中にかけては黒点の列が縦に並ぶ。また、背鰭の後端が糸状に伸びる。沿岸水域に生息し、幼魚時代は動物プランクトンのみを食べるが、5cmくらいから、海底の泥を食べてその中に含まれる有機物や小さな生物を栄養とする食性に変化する。1~2月から内湾に入り、3~6月に産卵する。刺し網、定置網、投網などで漁獲される。東京では出世魚で、シンコ→コハダ→ナガツミ→コノシロと、呼び名が変わる。
料理法
江戸前寿司において、コハダはもっとも伝統的なタネの一つ。酢で締めてから用いる。また、春に現れる4~5cmの幼魚を「新子(シンコ)」と呼び、特に珍重する。この初物は、築地市場で近海本まぐろをしのぐ高値が付く超高級品。丁寧に卸してやはり酢で締めてから握るが、1貫に4尾~6尾を用いる繊細なもの。まさに寿司職人の技が試される一品である。一方、親のコノシロは、小骨が邪魔になって寿司には使えず、塩焼き、空揚げ等の惣菜用。価格も子供の数十分の一。やや寂しい「出世魚」である。