カタクチイワシ
- 英名
- Japanese anchovy
- 学名
- Engraulis japonicus (Houttuyn)
- 別称
- セグロイイワシ(三陸、常磐、紀州他)、ヒシコイワシ(青森他)、シコイワシ(東京)、タレクチイワシ(和歌山、京都、山陰他)、ホウダレ(鹿児島)、ゴマメ(土佐、小型のもの)、マイワシ(瀬戸内海)
- 分類
- ニシン目 カタクチイワシ科 カタクチイワシ属
- 体長
- 14cm
- 分布域
- 日本の沿岸各地。その他、朝鮮半島、中国、台湾、フィリピン
- 特徴
- 下顎が上顎より極端に短いのが「片口」の名の由来。背側は黒味が強い。沿岸から外洋に至る広い海域の表層を大きな群れをつくって回遊する。大きな口を開けて泳ぎながら、カイアシ類などのプランクトン性の甲殻類を海水ごと飲み込み、鰓で漉しとって主食とする。また、軟体類の幼生や魚卵、あるいは珪藻などの植物プランクトンも状況に応じて餌とする。産卵期は春から秋で、海域によって異なる。主に旋網によって漁獲されるが、稚魚や幼魚には、魚体にやさしい船曳網や引き回し網(通称パッチ網)が用いられる。日本で最も漁獲量の多い重要魚種の一つ。
- 料理法
- 鮮度の良いものは刺身や天ぷらで美味だが、鮮度の落ちる速度がきわめて早いため鮮魚で出荷されることは少なく、ほとんどが産地で煮干し、めざし、みりん干しなどに加工される。また、しらす干しやチリメンジャコの原料のほとんどは本種の稚魚である。その他、塩蔵発酵させたものは「アンチョビ」と呼ばれ、南欧料理の味付けに欠かせない。