「危機管理再構築委員会」について

2013年11月に株式会社アクリフーズ群馬工場で発生した農薬混入事件を受けて設置した『アクリフーズ「農薬混入事件に関する第三者検証委員会」』の提言を踏まえ、信頼回復に向けてグループ一丸となって進んでいくために、2014年4月に「危機管理再構築委員会」が発足しました。「危機管理再構築委員会」では、「グループガバナンス体制再構築プロジェクト」、「危機管理体制再構築プロジェクト」、「品質保証体制再構築プロジェクト」、「食品安全フードディフェンス体制再構築プロジェクト」、「労務問題改善プロジェクト」、「ブランド再構築プロジェクト」の6つのプロジェクトを部署横断的に立ち上げ、信頼回復に向けた取り組みを進めてまいりました。

2016年3月末に「危機管理再構築委員会」は解散し、それ以降、各プロジェクトの取り組みは担当部門における定常業務として引き継がれ、全社的活動を継続しております。

各プロジェクトの取り組み

グループガバナンス再構築プロジェクト

グループガバナンス再構築プロジェクト

目的:グループガバナンスに関する基本的な考え方を整理/整備
  2014年度の取り組み 2015年度の活動計画
施策1
経営理念などグループビジョンの整理/周知徹底         

新理念体系を制定。

  • 根本思想をそのままに、解りやすい表現に変更
 

理念浸透ツールの配付ž

  • 各事業所に「理念ポスター」配付ž
  • 全従業員に名刺サイズの「理念体系カード」配付ž
  • 全従業員にグループ理念について考えるための冊子「理念ブック」配付

  

  • 理念ブック詳細版(仮称)の制作

経営陣による理念研修を実施

  • 2014年度対象グループ会社29社約8300名受講(対象会社全従業員中受講率77%)
  • グループの理念・ビジョンの説明と併せ、理念を実践するための各自の役割についてグループディスカッションを実施。理念への共感による周知徹底を図る

  

  • 2014年度対象グループ会社における未受講者のフォロー
  • 国内の未実施グループ会社での実施
  • 階層別研修におけるプログラム化
  • グループ経営層向け研修の実施
毎年、11月13日を『農薬混入事件を風化させない日~安全・安心再確認の日~』、9月を『品質管理再確認運動強化月間』と定めた
  • 11月13日における啓蒙活動の企画立案と実施
2015年度以降の活動体制 グループ理念の浸透を目的とした部署横断的なプロジェクト活動を継続
(関連部署:経営企画部・リスク管理統括部・人事部・総務部)
  2014年度の取り組み 2015年度の活動計画
施策2
コンプライアンスの浸透/定着活動

グループ共通規程類の文書管理に関する基本ルールを制定し、文書体系を整備

  • 主要グループ会社30社に対し共通規程類に関する説明会を実施
  • イントラネットに共通規程類一覧サイトを新設
  • 主要グループ会社、マルハニチロ(株)全部署に共通規程類集を配付

 
 
 

  • グループ共通規程類の周知と最新版管理、適切な運用状況の確認
2015年度以降の活動体制 2014年度をもってプロジェクト活動を終了し、文書の発行部署による周知徹底と経営企画部による情報発信を定常業務において継続する
  2014年度の取り組み 2015年度の活動計画
施策3
グループ経営体制の明確化
ユニット経営の効率的運用を行うために、経営管理規程類を改訂し、組織の責任と権限を明確化  
2015年度以降の活動体制 経営企画部の定常業務として継続的見直しを実施
  2014年度の取り組み 2015年度の活動計画
施策4
危機管理を統括する組織体制の再整備
クライシス発生時の迅速な判断と行動を統括する体制を整備。その中心的な役割を担う組織として「リスク管理統括部」を新設  

危機管理体制再構築プロジェクト

目的:グループにおけるクライシスおよびリスクのマネジメントシステム構築
  2014年度の取り組み 2015年度の活動計画
施策1
危機的事態発生時の初期体制の整備、責任と権限の明確化
  • 危機対応に関する権限と責任はマルハニチロ(株)社長にあることを明確にし、その権限を必要に応じリスク管理担当役員に委譲する事を明確化
  • 危機時における対応の迅速化と一元化を図るため、危機対策本部の実働部隊としてタスクチームを設置する事を規程
  • クライシスおよびリスクマネジメントシステム構築に必要な規程類を整備
  • 危機対応演習の実施とシステムの見直し
施策2
危機的事態の発生を抑制するリスクの分析および対応策策定
  • リスク管理責任者、リスク管理担当者をグループ各社、マルハニチロ(株)各部署に設置し、リスクコミュニケーション・ネットワークを構築
  • 内部通報制度からの情報をリスク管理統括部がリスク評価し、マルハニチロ(株)社長へ報告する体制を整備
  • リスクマネジメントの基本方針、責任と権限を明確にし、リスクの抽出と評価・分析を行う
  • リスクマトリクスを作成し、リスクの仕分けと優先順位を決める
  • 優先順位が高く、重大なリスクについては当該グループ会社またはマルハニチロ(株)部署において対策の立案・実行を行い、リスク管理統括部がモニタリングと支援を行う
施策3
グループ各社との双方向のコミュニケーションを図るなどリスクへの感度を上げる活動
  • 職制によるリスク情報伝達の他、リスク担当者からリスク管理統括部へ直接情報伝達を行うリスク情報のダブルレポートシステムを導入。重要なリスク情報を迅速かつ確実に経営トップへ伝達する仕組みを構築
  • グループ各社、マルハニチロ(株)各部署との円滑なリスクコミュニケーションを実施し、遅滞の無いリスク情報の入手活動を行う
2015年度以降の活動体制 リスク管理統括部の定常業務として活動を継続

品質保証体制再構築プロジェクト

目的:グループにおける品質保証体制の再構築
  2014年度の取り組み 2015年度の活動計画
施策1
品質保証関連規程の見直しとグループ企業への周知徹底
  • 品質保証に関する共通規程類の整理と見直しにより、「グループ品質保証基本規程」を頂点とする品質保証関連の文書体系を整備
  • グループ各社、マルハニチロ(株)各部署へ説明会を実施
  • グループ各社規程類の整備状況の確認と把握
  • 当社およびグループ各社への規程類の周知徹底と確認
施策2
お客様からの重大お申し出案件の抽出と関係者共有システムの構築
  • 「お客様相談センター」を環境・品質保証部より独立させ責任と権限の範囲を広げて機能を強化し、グループ内のお客様対応の統括部署とした
  • グループ会社における消費者対応実態調査を実施
  • 調査結果より、消費者対応を行うグループ会社を対象に、重大お申し出案件抽出機能を備えた、苦情情報集約システムの導入を検討中
  • 対象のグループ会社に、苦情情報システム(新CS向上システム)を導入
  • 新CS向上システムの機能に、重大化が予見されるお申し出案件の抽出機能を強化
  • グループ会社を対象に、お客さま対応の標準化を目的とした苦情対応手順書の整備と苦情対応研修を実施
施策3
製品品質リスクの調査・分析・評価の定常的な実施
  • 環境・品質保証部内に、食品安全に関する情報収集と評価を担う専門部隊として「安全管理室」を設置
  • 直営工場における微生物検査方法と精度に関する調査を実施
  • 調査に基づき、検査精度の向上と標準化を目的とした現地指導を実施
  • グループイントラネットに、食の安全に関するあらゆる情報について検索できる「安全情報サイト」を新設
  • 直営工場における微生物検査方法の指導を継続実施
  • グループ主要工場における微生物検査方法の適正度と精度に関する調査の実施と現地指導
  • 官能検査ガイドラインにもとづき、検査員選定にかかわる試薬類および手順をグループ会社に配布
施策4
社員教育の実施と専門家教育
  • 品質管理、表示、苦情対応の3つのカテゴリーで研修を継続して実施
  • 臭気判定士の育成、官能検査パネラーの充実化
  • 品質保証分野の専門家育成プランの策定
施策5
緊急時の対応力強化
  • 重大品質事故発生を想定した演習を実施
  • 2014年度取り組みを継続
2015年度以降の活動体制 プロジェクト活動は2014年度をもって終了し、2015年度以降は環境・品質保証部およびお客様相談センターの定常業務に落とし込む

食品安全フードディフェンス再構築プロジェクト

目的:グループの生産拠点、物流拠点におけるフードディフェンスの取り組み推進
  2014年度の取り組み 2015年度の活動計画
施策1
外部侵入や異物混入を防止する施設
  • フードディフェンス管理基準を生産工場版と物流拠点版に分けて制定
  • 群馬工場において、フードディフェンス管理基準にもとづく改善活動を実施し、適合度97%を達成し、8月より再稼働
  • 直営工場、国内グループ会社工場において、フードディフェンス管理基準に基づき自己点検と改善活動を実施し、ほぼ年度目標を達成(一部設備投資の関係で次年度に繰り越し)
  • 海外グループ会社工場においてフードディフェンス管理基準にもとづき、プロジェクト・メンバーによる点検を実施
  • フードディフェンス管理基準の見直し
  • フードディフェンス点検要員の育成
  • 直営工場、海外を含むグループ工場において、フードディフェンス管理基準にもとづく点検と指導
  • 国内外のグループ工場に対するフードディフェンス研修を実施
  • 物流拠点への活動支援
施策2
フードディフェンス・ルールの策定
施策3
フードディフェンスに対する意識醸成
  • 国内直営工場、グループ会社工場、マルハニチロ(株)事業部署を対象にフードディフェンス研修を実施
施策4
風通しの良い職場環境の整備
  • 労務問題改善プロジェクト活動において対応
施策5
上記施策の継続的改善
  • 適宜実施
2015年度以降の活動体制 プロジェクト活動は2014年度をもって終了し、2015年度以降は、環境・品質保証部の定常業務に落とし込む

労務問題改善プロジェクト

目的:グループ生産拠点、物流拠点の労務問題の抽出、改善の推進、労務管理手法の見直し
  2014年度の取り組み 2015年度の活動計画
施策1
従業員満足度調査

国内主要企業34社の従業員を対象に実施

  • 回答率99.6%
  • 調査結果を基に、モチベーション向上の各種施策を展開予定
  • 直営工場地域社員および契約社員の人事制度の見直し
施策2
直営工場新人事制度の構築
  • 地域社員および契約社員の人事制度の見直しについて、不利益な変更となる従業員が出ない配慮、組合との協議を進めながら、関係部署と協議の上実施予定
施策3
工場従業員面談調査
  • 臨床心理士による工場従業員面談調査をグループ会社5工場にて実施し、従業員が抱える職場内外の問題、人間関係やコミュニケーションの問題、労働環境の問題など、人事制度の見直しにおける参考情報として活用
2015年度以降の活動体制 プロジェクト活動を継続 (関連部署:人事部・生産管理部・経営企画部)

ブランド再構築プロジェクト

目的:アクリブランドの信頼回復
  2014年度の取り組み 2015年度の活動計画
施策1
群馬工場見学会
  • メディア各社さま:テレビ局6社、新聞社7社、業界紙5社、通信社1社、他TV番組取材1社
  • お取引先さま:59組のお取引先さま
  • お客さま:未実施(次年度予定)
  • 継続実施
施策2
店頭試食プロモーションによるコミュニケーション
  • 全国141店舗にて、社員による店頭プロモーションを実施し、延べ3万人のお客さまにアプローチ
  • 3/16~5/31にて消費者キャンペーンを実施
  • 工場所在地の地域イベントに参加し、地域の住民の方とのコミュニケーションを図った
施策3
広告・雑誌タイアップによる告知
  • 新聞広告(全国紙・地方紙)にて群馬工場再開を告知
  • 対象商品賞味期限切れ前に再回収告知(全国紙・地方紙)
  • 雑誌タイアップ企画は2015年度実施予定
2015年度以降の活動体制 エリアマーケティングは、事業部署および販売部署の定常業務として継続。アクリブランドの信頼回復施策は、事業部署およびマーケティング部の定常業務に落とし込む

関連リンク

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