SALMON MUSEUM サーモンミュージアム

サケの学習室

  • 北海道 標津町立薫別小中学校
  • 北海道 札幌市東白石小学校
  • 標津町立薫別小中学校の環境学習

北海道の子供たちは、サケについてどんな勉強をしているのだろう。その1


サイズをはかる


婚姻色がでているブナ毛のサケ

(1)準備(じゅんび)

サケのオス、メスを見分けます。オスは口やあごがいかつくなって、いわゆる「鼻まがり」になっています。メスの口やあごは曲がりません。オスもメスも皮膚の色は「ブナ毛」と呼ばれ、黒ずんでいてブナの木肌の色になってきています。「婚姻色(こんいんしょく)」ともいわれます。メスをつかむときはお腹から卵が漏出(ろうしゅつ)しないように気をつけます。そして、オス、メスのサケの体をタオルで拭き、汚れや水分を取っておきます。


卵を取り出す

(2)採卵(さいらん)

メスの腹部切開は一人が頭部、他の一人が尾を持ち、採卵刀(さいらんとう)を肛門から差しこみ、一気に胸ひれまで切り裂きます。右手を胸ひれから入れ、卵巣を軽く指の間にはさむように静かにかき出し、卵をのこさないように受卵盆(じゅらんぼん)に受けます。1尾のメスからは2000~3000粒の卵が取れます。


オスの精子をかける

(3)受精(じゅせい)

オスも同じような持ち方で、中腹をしぼりさげます。出てくる白い精液を受卵盆(じゅらんぼん)の卵にかけます。メス1尾の卵に対して、オス3尾の精液をかけます。精液は必ず複数のオスからとります。この作業が終わると、卵に衝撃を与えず、静かにかくはんします。


流水のある水槽に受精卵を入れる

(4)浸水(しんすい)

完全にかくはんが終わったら、卵に吸水させるため流水のある水槽に入れます。これで、受精完了です。受精膜の確認をしたり、不純物を流したり。流水の意味は、受精卵に対する酸素の供給、温度の一定、不純物の除去が目的です。最後に光をさえぎるために覆いをかけます。


サケの赤ちゃんが生まれる

(5)観察(かんさつ)

みんなで採卵、受精させた卵を立派に育て、来年5月に薫別川やポー川に放流します。サケは今日おこなったような人工採卵によって世代交代が行われているのです。自分たちの体験を通して漁業資源の再生産、サケの増殖事業、地域の産業を子供たちは学んでいます。

*上記の採卵、受精の学習は2007年秋、標津サーモン科学館において行われた薫別小中学校の実習を中心に構成しております。

サケの「解剖」の学習(9月下旬~10月下旬)・・・小学校高学年、中学生

サケの「解剖」の学習

人のからだには、心臓・肝臓・腸があって、いろいろな働きをしていることを理科の時間に学習しました。サケにもそれらがあるだろうか?ないだろうか?
サケの解剖の学習は標津サーモン科学館でよく行われています。学芸員・市村政樹さんは、生徒さんたちをまな板の周りに集めて、サケのエラや心臓・肝臓・腸など内臓を切り取りながら丁寧な解説を加え、サケの体の構造を見せてくれます。
人のからだとサケのからだの違い。にわとり、ぶた、うし、との違い。
分かりやすい解説がみんなの心に届きます。 本日のサケの学習には、別海(べっかい)町立別海中学校の生徒さんたちが訪れました。
(2007.9.25)


別海中学校の生徒さんを前にした解剖実習


サケの解剖を行う標津サーモン科学館学芸員の市村さん

別海町立別海中学校
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