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詳細情報

ヨーロッパヒラガキ

ヨーロッパヒラガキ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
European flat oyster
学名
Ostrea edulis Linnaeus
別称
ブロン
分類
カキ目 イタボガキ科 イタボガキ属
体長
殻長通常10cm、最大20cm
分布域
北大西洋東岸(ノルウェー~モロッコ)。地中海
特徴
殻は円盤状で平べったい。沿岸の浅瀬にすみ、左殻で岩などに固着して、右殻は蓋の役目をする。ヨーロッパでは、古代ローマ人が本種のために畜養池を作った記録があるほど古くから美食の対象であり、それ以降もカキ類の生産の大部分は本種が占めていたため、Common oyster(普通のカキ)と言えば、本種のこと指すものであった。また、17世紀には本種の天然種苗を用いた養殖がヨーロッパで始まり、生産量はさらに伸びて行った。しかし、1970年代以降、本種は度重なる病気の流行によって壊滅的な被害を受け、ヨーロッパにおけるカキ類養殖の大部分は、日本を起源とする「マガキ」に取って代わられ、本種の生産量は未だに回復していない。従って、現在のヨーロッパでは、Common oysterはマガキであり、本種は高級品の位置付けにある。なお、本種はフランスでは「ブロン」とも呼ばれるが、これは産地として名高いブルターニュ半島の地名に由来するもので、日本でも、フランス料理店でこの名が用いられる。実は、日本にも本種の近縁種である「イタボガキ」が産し、かつては南日本各地で少量ながら天然物が獲られていたが、現在では幻の存在となってしまっている。
料理法
身は、マガキと較べると薄くて内臓が少ないが、貝柱は大き目。上の殻をはずして、レモン汁を掛け、すすり込むのが定番。味は上品かつ繊細で、淡い渋味がワインに合うという。その他、フライ、グラタンなど、さまざまな料理に用いられる。