おさかなギャラリー:マルハニチロ食品

詳細情報

イスズミ

イスズミ
Illustrated by 鈴木勝久
英名
Brassy chub
学名
Kyphosus vaigiensis (Quoy & Gaimard)
別称
ゴクラクメジナ(西日本)、ササヨ(伊豆諸島、イスズミ類の総称)、イズスミ(伊豆半島)、ワサビ(紀州)、マット(沖縄)
分類
スズキ目 イスズミ科 イスズミ属
体長
70cm
分布域
関東以南の太平洋沿岸。インド洋~中部太平洋
特徴
全身灰色をしており一見メジナに似るが、鱗に沿って黄色い縦縞が並ぶこと、鋭くとがった歯をもつことで見分けられる。同属のテンジクイサキとは、本種の背鰭の軟条部は盛り上がらないことで区別可能。ただし、同属のノトイスズミ、ミナミイスズミとは見分けが難しく、背鰭と臀鰭の軟条数を数えてそれぞれ14本、13本であれば本種、2本ずつ少なければ、ノト、ミナミのどちらかである。外洋に面した荒磯に群れてすみ、甲殻類などの小動物や海藻を食べる。産卵期は冬から春で、幼魚は流れ藻に付いて成長する。定置網、刺し網などで漁獲される他、磯釣りでもお馴染みの魚で、釣り上げられる際に糞を撒き散らすため、ババタレの名でも呼ばれる。
料理法
身には独特の臭みがあるが、個体によってはその臭みがほとんど無く、さらに脂も乗って非常に美味しい場合がある。一般に海藻を主食とする冬期には臭みが薄らぐとされるが、季節以外にも地域や個体差などの要因が関係しているらしい。ノトイスズミ、ミナミイスズミと混同されているのも評価が分かれる一因かもしれない。当たりの個体であれば、刺身の他、フライ、照り焼き、煮物などで旨い。また、小笠原では、生の切り身を酢漬けにして薬味や香草を添える「ピーマカ」という郷土料理によく使われる。内臓に臭みがあるため、入手したら早めに取り除くこと。