震災による被災状況とその対応
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、マルハニチログループの東北・関東地区の関連会社にも甚大な被害がおよびました。被災状況と対応、事業の復旧に向けた取り組みについてご報告します。犠牲になられた従業員およびご家族の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
震災による被災状況とその対応
地震発生直後のマルハニチロ食品石巻工場
3月11日の地震発生直後、マルハニチロホールディングス本社内に社長を本部長とする危機対策本部を立ち上げました。翌12日、危機対策本部は、特に被害が甚大であった石巻地区へ東京本社より社員3名を派遣し、従業員の安否確認及び損害状況の調査を実施しました。同時に震災地区の事業所の従業員に安否確認並びに被災状況の調査を行いました。被災状況は、都度危機対策本部に報告され必要な対策を実施致しました。
安否確認
マルハニチログループの事業会社6社で導入している安否確認システムが、地震発生と同時に震度6弱以上が観測された地区(岩手・宮城・福島・栃木・群馬・茨城・千葉・埼玉)に勤務または居住する従業員に対して自動的に作動し、安否情報の確認を行いました。その結果、津波による被害が大きかったマルハニチロ食品石巻工場の従業員8名とグループ役職員のご家族49名が尊い命を奪われるという大変残念な結果となりました。
今回、地震発生が就業時間帯であったため、私物である携帯電話を持ち出せずに避難した従業員が多く、特に工場での作業者の安否確認に予想以上の時間を要しました。しかし、その後各地の避難所や親戚宅などへ分散した従業員とのコミュニケーション・ツールとしても、有効に活用することができました。
帰宅困難者への支援

非常持出袋
震災当日、首都圏の公共交通機関は全面的に停止し、本社(東京都江東区)の従業員も一時帰宅が困難となりました。本社ビルは耐震構造となっているため、危機対策本部では従業員をビル内に待機させ、ビル内で宿泊できるように会議室を開放し、備蓄毛布の提供を実施しました。また、個人に配布の非常持出袋に備えてある非常食のほか、社内備蓄食料を使用しました。公共交通機関の復旧情報を館内放送にて随時放送したほか、社内イントラネットを使って情報提供を行い、従業員同士が安全を確認しながら無事帰宅できるように対応しました。
設備の被害状況および復旧予定
| 地域 | 会社名/事業所 | 事業 | 業務再開状況 |
|---|---|---|---|
| 青森県 | 太洋冷蔵(株) | 水産加工品製造 | 事業継続の可否を検討中 |
| 宮城県 | 株式会社マルハニチロ食品 石巻工場 |
冷凍食品製造 | 一部復旧し生産再開の予定 |
| 大洋エーアンドエフ株式会社 石巻食品工場 |
食品(調味料)製造 | 事業継続の可否を検討中 | |
| 株式会社マルハニチロ物流 塩釜物流センター |
保管物流 | すでに営業再開 | |
| 株式会社マルハニチロ食品 仙台工場 |
乾燥食品、冷凍食品、煉製品製造 | 煉製品ラインを復旧し生産再開 他の生産ラインは移管 |
|
| 株式会社マルハニチロ食品 東北支社 |
販売拠点 | 仮事務所にて営業中 | |
| 株式会社東北サービス | 倉庫・運送業 | 仮事務所にて営業中 | |
| 栃木県 | 株式会社マルハニチロ食品 化成食品事業部 |
化成品製造 | 年度内に完全復旧予定 |
| 株式会社マルハニチロ食品 東日本物流センター |
保管物流 | すでに営業再開 |
※東北・北関東地区で上記以外の工場・事業所にも一部被災はありましたが、既に修復を完了し稼働を再開しています。
設備の被害状況および復旧予定
| 被災の規模 | 甚大 | 大規模 | 中規模 | 軽微 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 被災事業所 | 5 | 2 | 2 | 9 | 18 |
支援物資の内容
| 到着日 | 送り先 | 支援内容 | 数量 | |
|---|---|---|---|---|
| 3月15日 | 石巻市内 避難所3ヵ所 |
生活用品 | 2トン | グループ従業員提供 |
| 生活用品 | 2トン | 取引業者様提供 | ||
| 魚肉ソーセージ、水産缶詰、カップゼリー | 200ケース | |||
| 3月15日 | 石巻高校ほか 避難所 |
衣類 | 317着 | |
| 米 | 300kg | |||
| 水産缶詰 | 666缶 | |||
| レトルト食品 | 3,900個 | |||
| カップゼリー | 2,400個 | |||
| バスタオルほか | ||||
| 3月16日 | 農林水産省 地震対策本部経由 |
水産缶詰(ツナ) | 86,400缶 | |
| 3月17日 | 石巻市 | 水産缶詰 | 1,500缶 | グループ所有船(第75はやぶさ丸)にて運搬 自衛隊引渡し |
| ミネラルウォーター | 600本 | |||
| 3月22日 | 石巻市 | カップゼリー | 24,000個 | グループ所有船(第2はやぶさ丸)にて運搬 自衛隊引渡し |
| 水産缶詰 | 159,360缶 | |||
| ツナパウチ | 300個 | |||
| ミネラルウォーター | 5,340本 | |||
| 毛布 | 500枚 | |||
| 3月26日 | 宮城県庁 (石巻市牡鹿支所) |
生活用品 | 4トン | グループ従業員提供 |
| 4月26日 | 東北被災地支援団体経由 | 毛布・衣類 | 4トン | グループ従業員提供 |
被災地・被災者への支援
物資による支援

出港する大型まき網船

大型まき網船による輸送
地震直後より缶詰・魚肉ソーセージなど、そのまま食べられる食料を行政などと協力しながら被災地へ提供しました。また、グループ内の従業員に呼びかけ、生活用品を持ち寄り被災地へ提供しました。地震による道路の寸断など陸路での輸送が困難なため、グループ会社である大洋エーアンドエフの大型まき網船にこれらの支援物資を積み込み、海路による輸送を行いました。
義援金による支援
地震直後に、被災従業員への支援として義援金の募金協力をグループ各社の役職員に呼びかけました。また、多数のお取引先から多額の義援金をご寄付いただきました。ご支援いただきましたお取引先、そして協力いただいたすべての従業員にあらためてそのご厚情に感謝するとともに、心より厚くお礼申し上げます。皆さまよりご寄付いただきました義援金は、マルハニチロホールディングスが拠出した義援金と合わせ、犠牲となられた職員のご遺族および被災された役職員563名の方々に被災状況に応じて分配いたしました。
マルハニチロリスクマネジメント体制による対応
マルハニチログループでは従来、首都圏直下型地震を想定した対応マニュアルを策定し、従業員に配布しています。また、首都圏以外の事業所においても、現地に即した地震災害などの対応マニュアルの作成を推奨していました。
しかしながら対応マニュアルのいくつかの点においては実際の状況に合わない不備が判明したため、今後は今回の震災を教訓に、対応マニュアルの見直しを図り、全事業所への周知徹底を行う必要があると考えています。事業継続計画(BCP)については、2010年度にマルハニチロ食品広島工場をモデルに策定したものを、2011年度よりその他の工場で展開する予定であったために、活用することができませんでした。しかし、今回の震災発生後の復旧対応を検証するツールとしてこれを活用し、より精度の高いBCPを他の工場に適用していくことを検討中です。今後はグループ全体における、今回の震災への対応の総括を行い、対応手順の改訂やBCPの見直しに早急に取り組んでいきます。




