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特集4 健康への貢献 マルハニチログループの「生涯健康計画」

中央研究所 所長 小梶 聡

現在、マルハニチロが提唱している「生涯健康計画」は、食生活を通じてお客さまの生涯にわたるカラダとココロの健康維持をお手伝いしたいという想いから生まれた、研究開発コンセプトです。このコンセプトがどのような背景から生まれたのか、また、これまでの取り組みや成果、今後の目標などをマルハニチロ中央研究所の小梶 聡所長に聞いてみました。

中央研究所発で誕生したグループが一丸となるビジョン

「生涯健康計画」という言葉は、マルハニチログループとしての力を最大限に高めて事業を展開していくために、2009年8月、中央研究所がグループ全体に向けて発信しました。生涯健康計画の根底にあるのは、私たちが提供する食品を通じて、お客さまの健康維持を一生涯にわたってお手伝いしたいという想いです。そこで、「最初の一口から、最後の一口まで。一生のおつき合い」をコンセプトに、お子さま、育ち盛り、働き盛り、セカンドライフという各ライフステージにあった食品を提案・提供できるよう、研究開発を進めています。

具体的には、「栄養機能」「嗜好性」「生理機能」という食品が持つ3つの役割にもとづき、お客さまが、「栄養価が高いものを、各ライフステージに必要な量とバランスで食べること」「おいしくたのしく食べること」「生理機能の衰えをサポートすること」ができるよう、これら3つの役割の開発領域で、新技術の確立に取り組んでいます。

3領域の研究成果を応用し画期的な食品を次々に開発

各領域の開発状況をご紹介すると、【栄養機能研究】では、素材の良さを最大限に生かす加工技術の開発を追究しており、たとえば、グレープフルーツの果肉の色みや食感、栄養成分を自然に、品質を落とさず剥皮できる技術を開発。この技術を使用して、2010年に「旬生グレープフルーツゼリー」を販売しました。現在は、この技術をほかのカンキツ類にも適用し、これまでにない、より高品質な果物入りデザートを開発するなどの成果を上げています。

【嗜好性研究】では、おいしさの視える化に取り組んでいます。おいしさの絶対評価法である定量的記述分析法(QDA法)を業界でいち早く導入し、食感・味・香りなどの官能評価を数値化するとともに、その食品が持つ成分・物性との関連を調査することで、食品のおいしさを科学的に追究しています。また、この技術と嗜好調査を組み合わせて消費者に好まれる食感・味・香りなどと成分・特性などとの関連づけを行い、食品の開発や評価に役立てています。

【生理機能研究】では、私たちが圧倒的な強みを持つ魚由来の健康栄養素であるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)を研究し、さまざまな効果効能を検証しています。さらに、中性脂肪の低下を促したり、情報の記憶をサポートする機能性表示食品も、開発・販売しています。このほか、鮭の白子から抽出するプロタミン、サメの軟骨から抽出するコンドロイチンなどの研究も進めており、加工食品やサプリメントの開発に生かしています。

Pick up

魚には優れた栄養成分がたっぷり

魚は良質なたんぱく質だけでなく、身体に良いDHA・EPAやビタミン類、ミネラルを豊富に含んでいます。

たんぱく質、DHA・EPA、ミネラル、ビタミン類

カラダとココロのゆたかさを実現するために

「生涯健康計画」は、「カラダのゆたかさ」と「ココロのゆたかさ」の2本を柱として、私たちが提供する食品によって生活をゆたかにすることをめざしたものです。

「カラダのゆたかさ」については、これら3つの開発領域で進めている研究をより強力に推進し、既存素材の新機能や新たな機能性素材の探索・開発で多くの成果を上げることによって実現していきます。「ココロのゆたかさ」は、「おいしいは、たのしい」「たのしいは、うれしい」「うれしいは、しあわせ」をコンセプトに、機能性素材の研究開発成果を存分に生かすことで、魅力があり、お客さまに選ばれる食品を次々に開発して実現していきます。そのために現在、中央研究所の研究メンバーが事業部の商品開発会議に参加して議論を重ねるなど、中央研究所、各事業部の開発部門、そしてマーケティング部門の連携を強化しています。

マルハニチロでは、こうした取り組みを積極的に進め、世代、年齢、環境などが異なるさまざまな方へのニーズ、不足しがちな部分などを深堀りすることによって、これまで成果の少なかった分野もいち早く強化し、各ライフステージにあった食を提案・提供することで、お客さまのカラダとココロがゆたかになって満たされることをめざしていきます。

研究開発事例

“鮭の白子”の成分を新しい「オーラルケア素材」に活用

中央研究所では、鮭の白子から抽出・精製した機能性素材「プロタミン」の研究開発に取り組んでいます。「プロタミン」は、微生物への抗菌性があり、食品保存料として利用されています。中央研究所では、「プロタミン」を酵素で分解することにより、義歯(入れ歯)の方に多い口腔カンジダ症状を引き起こすカンジダ菌への抗菌活性が増大することを発見しました(特許取得済)。さらに、プロタミンを酵素で分解した素材は、歯周病原菌に対する抗菌活性も認められています。こうした効果から中央研究所では、プロタミン酵素分解物を天然物由来の安全な「オーラルケア素材」として展開し、グループ内や外部のビジネスパートナーとの協業により、さまざまな商品化を進めています。

「食の安全・安心」と「健康」に貢献する食品情報の表示へ
マルハニチロの機能性表示食品

健康の維持や増進など、科学的な根拠にもとづいた機能が事業者の責任でわかりやすく表示されているので消費者が正しく選べる。さらに、安全性も確保されている。これが、2015年4月の制度化で誕生した機能性表示食品※です。

長年に及ぶDHA・EPA研究成果を生かし業界初、
カテゴリー初を次々に開発

機能性表示食品制度の実施を受け、マルハニチロでは、長年続けてきたDHAとEPAに関する研究成果をもとに、機能性表示食品の開発にいち早く取り組みました。

DHAは、肝臓で中性脂肪が合成されるのを抑え、肝臓から血液へ中性脂肪が分泌されるのを抑制する効果が確認されており、継続的な摂取は中性脂肪の低下を促すことが認められています。さらに、脳機能の改善や神経系の発達に対しても良い影響を与えると考えられており、臨床試験によって、加齢にともなう短期記憶や認知機能の低下を抑制する効果を確認することができました。また、こうした機能を持つDHA・EPAを商品開発に生かすことで、マルハニチロは、業界初やカテゴリー初となる機能性表示食品を開発。2016年4月時点で、DHA・EPAを関与成分に中性脂肪を低下させる機能に注目した食品が6品、DHAを関与成分に情報の記憶をサポートする機能に注目した食品が5品、合わせて11品について、消費者庁で届出が受理され、そのうちの6品を発売しています。(2016年7月1日現在 9品を発売)

※機能性表示食品:事業者の責任において、科学的根拠にもとづいた機能性を表示した食品で、販売前に安全性および機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官に届け出られたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。

中性脂肪が気になる方に さけフレーク

20g(内容量の1/3)中に中性脂肪を低下させる機能があるDHAとEPAが合計860mg入っています。
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中性脂肪が気になる方に 油そのままツナフレーク まぐろ油漬オリーブオイル仕立て

1日あたりの摂取目安量70g(1缶)中に、中性脂肪を低下させる機能があるDHAとEPAが合計860mg入っています。
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中性脂肪が気になる方に さば水煮

缶詰初の機能性表示食品という快挙を達成!さらに天然原料由来のDHAとEPAを添加ではなく含有(1缶あたり合計860mg)した点でも初となった、マルハニチロ第2号の機能性表示食品です。
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情報の記憶をサポート 食事でサポート DHAのチカラ フィッシュソーセージ

DHAを関与成分とする商品として初めて、情報の記憶をサポートする機能が受理された機能性表示食品です。マイルド&ソフトな味付けで、1本(50g)あたりDHAが880mg入っています。
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中性脂肪が気になる方に 食事でサポート フィッシュソーセージ

マルハニチロの記念すべき機能性表示食品の第1号。フィッシュソーセージとしても日本初、業界初となった食品です。1日あたりの摂取目安量2本(80g)中、DHAとEPAが合計1,060mg入っています。
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