
マルハニチロと宇宙食のかかわりは、1985年に宇宙開発事業団(NASDA)による委託業務「米国宇宙基地計画予備設計参加」の下部組織として“宇宙食勉強会”が発足し、その参加企業6社のうちの1社としてマルハニチロ(当時大洋漁業株式会社)が選ばれたのが最初です。
1993年10月、宇宙開発事業団の広報イベントとして読売新聞社とNHKが進めた「向井千秋さんの宇宙料理コンテスト」にマルハニチロ(当時マルハ株式会社)が技術協力することになりました。一般のみなさんから募集したメニューから、さまざまな審査を経て1994年5月に9品目の日本食の宇宙食メニューを決定し、NASAの厳正な検査に合格した後、スペースシャトルコロンビア号に初めての宇宙日本食として搭載されました。1994年7月、コロンビア号では日本人女性初の宇宙飛行士、向井千秋さんはじめ4名の宇宙飛行士による初の日本食パーティーが実現しました。
2004年10月、マルハニチロはふたたび宇宙食開発に挑戦しました。今回は食品科学工学会宇宙日本食専門家委員会より“魚介料理の宇宙食開発”という要請を受けスタートしました。「常温保存で15 カ月間品質を保持すること」「おいしい日本食であること」という要件を満たすため、メニュー検討、試作、評価を重ねた結果、「サバの味噌煮」「イワシのトマト煮」「サンマの蒲焼き」の3品を提案。2007年6月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって“宇宙日本食”として認証されました。

開発当初、形状はレトルトパウチ
当初、包装形態はレトルトパウチでしたが、現在ではより保存性が優れた缶詰を使用しています。これにより常温で3年間の保存が可能となりました。また、栄養の劣化が少なく魚の骨まで食べられるなど、さまざまなメリットがあります。

開発秘話
10アイテム以上あった商品候補を絞り込む際、当初社内では、外国人は「味噌」が苦手でサバ味噌煮は日本人以外の宇宙飛行士には食べてもらえないかと危惧していました。しかしJAXA(宇宙航空研究開発機構)の候補アイテム会議で「サバ味噌煮は日本人の心だ」との強い要望があり、アイテムに残ることになりました。2005年1月のJAXA筑波宇宙センターにおける試食会当日、本来は各社1品ということでしたが、試食に提供した「サンマの蒲焼き」の他に「イワシのトマト煮」「サバの味噌煮」があることを若田光一宇宙飛行士、レディック・ボー宇宙飛行士に話したところ、ぜひ食べさせて欲しいということで急遽、その場で試食していただきました。そのとき若田、ボー両氏に「外国人には味噌煮はだめでしょうか?」と尋ねると、若田光一宇宙飛行士は「ボーの食器を見てください。完食していますよ」と言われ、レディック・ボー宇宙飛行士からは「大変おいしい!」というコメントをいただき、関係者一同ホッとしました。
宇宙日本食「缶詰」のポイントはここ!!
- 無重力空間で液汁が飛び散らないように調味液(たれ)に粘り気を持たせました
- 魚くささを少なくするため、製造工程に工夫を加えました。(企業秘密♪)
- 宇宙では味覚が鈍ると言われているため、濃い目の味付けにしました。
- 無重力空間で食べやすいように、魚を一口大にカットしました。
- 食べ終わった後に片付けやすいよう、重ねられる缶形態にしました。
- サバの味噌煮

- サンマの蒲焼き

- イワシのトマト煮

マルハニチロ本社(東京都江東区)にあるアンテナショップ「マルハニチロプラザ」では宇宙日本食缶詰を販売中です。
国内販売用の箱に入った「鯖の味噌煮」「秋刀魚の蒲焼」「鰯のトマト煮」(3 種類各525 円/税込)。
※缶詰の中身は宇宙で実際に食べられているものと同じです。





